和家具・日々是好日　　　　　　　　　　　　　

私の自転車の通り道。

７月に入った頃から、
新幹線や東海道線の線路の土手は葛でおおわれます。

縦横無尽に蔓を伸ばし歩道も侵食する勢いです。
自転車で走るのも危険なところもあります。

街灯にもはびこってこんな状態に！

グリーンモンスターの異名を持つ所以です。







万葉の昔から秋の七草の一つとして
数えられている葛。

葉っぱの多さの割には見ることは少ないですが、
花は円錐形で、
紫がかったビンクが綺麗です。

根っ子は葛粉として和菓子などに用いられ、
根を乾燥させたものは葛根湯の材料にもなっている。

そして、掛川市の特産の葛布は、
蔓から取り出した繊維で作られている。

葛布は、芭蕉布・シナ布とともに
日本三大古布の一つに数えられ、
その発祥は1300年前に遡る。

掛川城主山内一豊が保護したため、
日本で唯一掛川だけで生産されてきた。

・・・と、
すべて掛川の葛布生産者の小崎さんから
教えていただきました。

今年の一月お店をたづねた折、
葛を作る工程もビデオで見せていただきましたが、
その大変な作業に驚きました。

手間暇かけて取り出された繊維は、
手織りでしか織ることができません。

絹のような光沢と、
独特の風合いがあります。

県内で織られる貴重な織物の葛布。
いつか、組み立て式茶室「宙庵」とコラボできたらいいです。






稲垣栄洋先生の、　
「身近な雑草の愉快な生きかた」にももちろん葛は登場しました。

藤枝おんばくでのプログラムに参加した折、
文庫本を持参してサインをしていただきました。