2008年12月02日

空間が与える気分

「今、五感に訴えるエモーショナルな建築」

静岡県インテリア協会主催の建築家中村拓志さんの講演会に行ってきました。

中村氏は、1974年生まれ。
隈研吾建築都市設計事務所を経て2002年に独立。
現在、クェート、北京等海外の複合商業施設を設計中。
主な作品に「ランバンブティック銀座」「HousuSH」「Danscing tree,singing birds」等。
2007年、著書「恋する建築」を出版。

自身の建築を語るに当たって中村氏は、まず最初にパリにあるスウィーツの店の写真を見ながら
話し始めました。

店の天井に描かれた天使はホイップクリームのようなふわっとしたイメージ、
全体の色はピスタチオペーストを思わせるグリーン。
木の枠は、飴細工のようなきれいな琥珀色。食べてもいないのに甘い気分になる装飾。
ケーキが持っているエッセンスを装飾に盛り込み、そこでしか体験できない気分を人に与える。

次に、香水の店。天井から床までパープルで統一され、まるで、今香水を振りかけたよう、
見ただけで香りに包まれているような気分になる空間。

その空間で人にどんな気分を体験して欲しいのか、そこから始まる建築。
穏やかな語り口ながら、ひとつひとつの建築への情熱が伝わってくるあっという間の2時間でした。

「ランバンブティック銀座」では、サファードの3000個のアクリルの象眼を、接着剤を使わず素材の
温度を変化させることでピッタリくっつけるという特殊な技術をこの建物のために開発してしまったと
いう懲りよう。
はかない光の織りなす現象を損なわず、空間に生かすためのこだわり。
造船職人の細やかな手仕事によって仕上げられたそうです。

建築予定地にあった林を残し、それに合わせて建物を建てた「Dancing tree ,Singing birds」。
苦労して残した木の恵みは大きく、木々と建物がまさにダンスしているようです。

「House SH」。壁に出来たくぼみに座ったり、横になったり、触れることで愛着をもてる建築になる。
「そこに住む人の気分」常に想像力をそこに集中させるところから形が生まれていると思いました。

その他、三重県にある美容室など建築を体験するために予約して行ってみたいと思いました。




Posted by マルウチ at 10:15│Comments(0)
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