2013年04月02日
気にいったものを大切に
Yシャツ愛情のお直し
茨城の仕立て屋 全国から注文
数日前の新聞、
こんな見出しに目がとまった。
アイロンかけやクリーニングで、
ワイシャツは襟や袖口が傷む。
ほんの少しのほころびでも、
最も目立つ場所なので、
あきらめるしかないと思っていた。
記事では・・・
創業は1936年(昭和11年)の仕立て屋さん。
60年代以降、
高級ブランドの下請けに専念してきたが、
3代目が跡を継いだ2005年頃から、
取引先からの注文が激減。
そこで思いついたのが、
襟やカフス専門のリフォーム。
料金は、約3000円。
海外ブランドや百貨店仕立てが多いが、
ユニクロなどのシャツもあるという。
新品が買える価格をかけても、
愛着のあるものを直して着たい。
そういう気持ち、いいなあと思った。
「愛着あるものに囲まれたいという人が多いのか。
高級シャツだろうと量販店のシャツだろうと、
直すときの気持ちは同じです。」
と仕立て屋の店主。
うちでも古い家具の修理の依頼が増えている。
今依頼を受けているこの桐箪笥も、
かなり古いもの。
手間をかけて直し、
生まれ変わるのが楽しみ!
2012年01月27日
修理の依頼
引き出し・針箱・文机・衣桁・・・
長年仕舞ってあったという家具の数々。
その修理を依頼されました。
最初は小さな引き出しをひとつ直したのですが、
思った以上にきれいになったということで、
それから次から次に送られてきます。
繊細な蒔絵、
小振りできゃしゃなつくり。
まるでお雛様のお道具のようです。
こんなアイテムが並ぶ部屋や
暮らしをイメージしてみると・・・
今から40~50年前でしょうか、
部屋のほとんどは和室。
畳に座る暮らし。
生活の音・におい
空気の流れ
人の気配
自然の光・電気の明かり
道具の中に日々の記憶が
詰まっているような気がします。
今の暮らしの中で、
蒔絵の良さが引き立つシーンを
想像することは難しいと思っていました。
でもたとえばこんな小引き出しをひとつ、
リビングに置いてみたら・・・
小さな家具から暮らしのグレードを押し上げる、
そんな新しい生かし方、
使い方があるのかもしれない。
そんな想像が掻き立てらる気がしました。
2010年11月06日
2010年08月05日
2010年06月23日
2010年05月13日
ちゃぶ台の修理
古いちゃぶ台の修理をしています。
丁寧に汚れを取り除いた後、
塗りに入ります。
漆を刷毛で塗り拭き取る、
そして乾かす、
それを何度も繰り返す、
拭きうるしという手法です。
脚が折りたためて便利な、
昔懐かしいちゃぶ台。
よく使い込まれて塗装もはげていましたが、
生まれ変わるのが楽しみです。
2010年04月02日
新作、一足早く・・・
駿府楽市での「暮らしの調度展」にむけて、
準備に追われています。
花器の新作もできあがりつつあります。
開催前に少し映像を・・・
楔組み棚、
厨子、
総桐箪笥、
屏風、
など展示する予定です。
暮らしの調度展
4月9日(金)~4月19日(月)
9時~21時
駿府楽市にて
駿府楽市は、JR静岡駅新幹線改札口から
西側方向に進んだところにあります。
2010年02月17日
漆を塗る前の生地調整
先月から、
漆塗りを学びに通ってきてくれているMさん。
今、漆を塗る前の生地調整をしています。
木の表面にある刃物の後などを処理する工程です。
ここを丁寧にやっておくことで、
仕上がりが違ってきます。
根気のいる作業を、
黙々と続けていました。
2008年09月12日
漆の乾き
ここ数日、漆の乾きがすこぶるいいそうです。湿度、温度、
その他好条件が整っているようです。
こういうときに、父はどんどん塗りたがってますが次の木
地が仕上がってきません。
長年やっていても、塗ってみてはじめて「今日はいい」と
わかるそうで、湿度や温度だけでなく様々な条件が重な
ってその環境ができるようです。
人間の力が及ばない自然とつきあいながらの作業、一喜
一憂しながらもそこで人は鍛えられていくのかもしれませ
ん。
2008年09月08日
2008年08月20日
修理完成
茶箪笥の修理が終わりました。
もともとベンガラが塗ってあった上に漆を塗っ
たので赤みが強くでました。
古くなったものを簡単に捨ててしまわずに、
お金をかけても生かそうとする人の気持ちが
家具に新たな命を吹き込んだようです。
素材、つくり特別素晴らしいものではなくても
時代の香り、年月の重みが感じられます。
やはり、こうして長く使ってもらえるようなもの
をつくっていきたいと思いました。
2008年07月28日
修理

古い茶箪笥の修理を依頼されました。扉の裏に、作られた日付が書かれていました。
明治35年2月。100年以上も前です。こうして修理をして何世代も使い続けていただ
けたら家具も幸せだろうと思います。
天板、側面は杉、前面の框部分や前板は欅。塗装は、ベンガラでした。
2008年06月20日
黒と黒
一閑張りの花器が、漆工房に入っています。
現在3回ほど塗り重ねたところです。
濃度の濃い生漆を和紙に塗ると
漆が繊維に染み込んで色が黒くなります。
約7回塗ったところで完成します。
これは、古いお膳を塗り直したものですが、
この黒い色は、漆と松煙を練って作ります。
2008年06月17日
欅の座卓
特別注文の欅の座卓の木地が仕上がり、塗りに入りました。
木目の美しさを出す摺漆塗り(すりうるしぬり)で仕上げます。
生漆を素地にすり込んだ後、和紙で拭き取る作業を繰り返して
薄い漆塗膜をもうけるところから拭漆(ふきうるし)ともいいます。
現在、二回目を塗って乾かしているところです。
今の時期、漆の乾きにはいい条件が揃っていますが、
湿度、気温などの変化により乾く状態は大きく影響されてしまいます。
天候のいい状態が続くことを願いながら、およそ、十回ほど繰り返して完成します。
2008年05月26日
朱色
特別注文の淡口朱本漆の箪笥が仕上がりました。
この朱色は、うちのオリジナルの箪笥に使用している色ですが、
お客様が以前からお持ちの箪笥の色とも調節して仕上げました。
金具を全て付けたら完成です。
2008年03月03日
乾燥を待つ厨子
漆を塗って乾燥させているところです。
不思議なことに、漆は湿度がないと乾燥しません。
微妙な気候の変化で、塗り上がりも違ってきます。
この厨子は、パーツをすべて取り外すことができ
また、組み立てが可能です。
漆の塗り直し、きずなどを削り直すためです。
次の世代に受け継いでゆけるものを創りたいと思っています。