2022年01月26日
静岡で生まれた奇跡

静岡の漆職人の細田豊さんの訃報に接して、
しまってあった曲げの器を出してみた。
数年前展示会でご一緒した際に買い求めたが、
細田さんからいただいた最後の曲物になってしまった。
他にも気に入ったものがあったが、
自分の売り上げを思うと手が出なかったのが悔やまれる。
中身がどんなに貧しくても気分を上げてくれる、
毎日の私のお供の小さなお弁当箱も、
もっと丁寧に扱おう!
ずっと前どこかに忘れてきたお弁当箱のことも思い出した!
細田さんは自らヒノキの曲物を制作し漆塗りを施していた。
木工の産地といっても静岡では思うように木地が手に入らず、
自ら制作するようになったのではないかと推測しているが、
自ら作るからこそ自由に多様な形に挑戦できたのではないだろうか。
様々な変り塗り、色漆、箔、螺鈿などを取り入れ、
曲げわっぱを繊細で美しい器に昇華させた功績は大きいと思う。
静岡という産地ならではで生まれた奇跡だと思っている。
師のあとを継ぐ後継者の今後の活躍も楽しみにしたい。
Posted by マルウチ at 12:24│Comments(0)
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