2011年12月19日
竹千筋ラビリンス
「高校生の頃はじめて竹千筋細工を見て魅力を感じ、
その仕事に携わりたいと、
高校卒業とともに親方に弟子入りした」
という大村恵美さん。
「暮らしに生きる手仕事展」
を一緒に開催した若手職人のお一人。
弟子入りして10年以上のキャリアをもつ29歳。
伝統工芸を担う若手女性職人として、
注目されることも多々あるそうだ。
数ヶ月前彼女に出会って、
というか冒頭の彼女の言葉に出会って、
竹千筋細工を興味を持って見るようになった。
と言うのも、正直言って私は竹千筋というものに
魅力を感じたことが過去一度もなかったのだ。
自分の理解を超えたものに出会うと、
無性に知りたくなるものなのか?
子どもの頃から、
やはり地元静岡ならでは、
なにかの引き出物の菓子器や茶托など、
身近に見てはきていた。
とくにインパクトが無くスルーしていたというより、
逆に嫌いなものとしてインパクトはあったといえる。
あの細い棒をあえて使う意味があるのか?
デザインに無理があるのでは?
そんなことを考えていた。
駿府楽市などで展示会のアテントをしていると、
お客さんから他の商品について訪ねられることがある。
ある時同年代と思われる女性が、
竹千筋の花器をプレゼントに選びたいが、
どの形がいいか見て欲しいと・・・
「!?」
「うっそー信じられない」なんてまさか言いません。
あれやこれやと無い知恵を絞り、
何とかその場を乗り切り、
無事その方はかなり高額な商品を買っていかれました。
そしてそれから何年か経ち、
ある夏の終わりのお茶会でのこと、
待合いに虫篭が置かれていました。
竹がやけていい色になっていて、
何ともいい風情。
これぞ竹千筋。
そう、細い竹のひごはここに使われてこそ意味がある。
用途とデザイン全て納得がいく。
ここから始まったんだ。
江戸時代、
竹を細く加工するのは大変なことだっただろう。
数百年受け継がれてきた技術、
虫籠の需要が減っても、
その技術を生かしたいと・・・
そうか~そういうことかあ~
そして、大村さんとの出会い。
彼女の作品はミニマム。
彼女の感性が新たな息吹を吹き込んでいる。
さらに研鑽を積んで、
竹千筋の世界を深めて欲しい。
なんて評論家かー!
いやほんとに応援しているんです。
Posted by マルウチ at 15:51│Comments(0)