2014年02月15日
炭系女子とは?
冬はつとめて
雪の降りたるはいふべきにもあらず
霜のいと白きもまたさらでも
いと寒きに火など急ぎおこして
炭もてわたるもいとつきづきし
昼になりてぬるくゆるびもていけば
火桶の火もしろき灰がちになりてわろし
冬は早朝がいい。
雪が降っている朝は言うまでもなく、
霜が降りてあたり一面が白くなっているときも、
そうでなくても寒いときに、
火などを急いでおこして炭櫃まで急いで持って行く様子も
たいそう冬にふさわしい。
昼になって暖かくなると、
火桶に入った炭火が白く灰っぽくなっているのはよくない。
枕草子の一節、
冬の朝炭を持って急ぐ衣擦れの音が聞こえてきそうな、
寒さの中暖を採る様子がいいです。
お茶のお稽古での炭出前、
灰の中にきれいに炭を並べていくと、
中心から回りの炭に火が徐々に広がり、
しばらくして灰に落としたお香が香ります。
そのうちに釜が煮立って音を立て始めます。
じんわりとした炭の暖かさが、
いいなあと思いながらも、
今の暮らしに取り入れるのは難しいと思っていましたが、
京都の町屋に移り住み、
電気に頼らずに炭のある暮らしを続ける若者がいると、
新聞で読みました。
環境問題を考える学生の中で、
「炭系女子」を目指す女性も出てきたとか。
京を流れる鴨川の源流あたりに残る炭焼き窯を修繕して
炭づくりを体験したり、
町屋に七輪を持ち込んで
一日だけのカフェを開いたりと、
活動しているそうです。

炭櫃は木製の丸い形の火鉢のこと。
枕草子の時代、
方形のものもこう呼ばれていたそうです。
あまり見かけることがなくなりましたが、
それでもコアなファンもいる長火鉢。
また、見直されるようになるかもしれません。
Posted by マルウチ at 19:34│Comments(0)
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