2008年07月23日

屋根に草が・・

屋根に草が・・

「屋根に草が生えている!」と、自転車で通りかかったとき思わず撮ってしまいました。

草葺き屋根のテッペン(棟)に草を植える「芝棟」を連想してしまったのです。それとい
うのも、藤森照信の「天下無双の建築学入門」をちょうど読んでいたからですが、冷静
になって見てみると、廃墟のコンクリートがひび割れてその隙間に草が生えたというだ
けのことですね(藤森先生に怒られそう)。

日本の民家では、茅葺屋根の棟に草を植える芝棟という風習があるそうです。なぜ棟
に草を植えるのか、はっきりした理由はわかっていないそうですが、明治初期の関東地
方の宿場の写真ではほとんどの屋根が芝棟だったそうです。主に野芝を植えたので芝
棟と呼びますが、イチハツ(小型のアヤメ)とイワヒバも広く見られ、意外なものではユリ、
松、アスパラガスなど、乾燥に強い植物なら何でもありだったそうです。

芝棟が多く残る岩手県の一戸から青森県の八戸を探訪した際、長い間にテッペンから
ニラの種がこぼれ落ちたらしく茅葺の裾の方まで白い花が咲いていたのを見た藤森先
生は、日本の屋根という屋根には花が咲いていた時代があったという面白い説を展開
していくのです。そして、ベルサイユ宮殿では大発見も・・・

この「天下無双の建築学入門」は、この他にも建築についての興味深く楽しい話が満
載。おすすめの一冊です。ただ、電車の中など公共の場で読む場合、ニヤッと笑って
しまう恐れがあるので注意したほうがいいですよ。

藤森氏の建築については、ブログ「kittsan流」に詳しく書かれています。興味のある方
は、ぜひご覧になってみてください。




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Posted by マルウチ at 13:48│Comments(2)
この記事へのコメント
いやいや、これこそ、現代の「芝棟」じゃないでしょうか。
藤森先生に怒られるどころか、豊かな発想を褒められますよ。
ここでも、マルウチさん独特のキャラクターが生きていますね〜。

それから、ブログ紹介ありがとうございました。
「天下無双の建築学入門」は面白かった。
ほんとニヤッと笑ってしまう快作ですよね。

ところで、私の「文楽紹介」の記事見てもらえました?
演目も、演者もいいし、なんといっても安い!
ご夫婦でいらっしゃったらいかがですか?
Posted by kittsankittsan at 2008年07月23日 14:53
ブログ拝見しました。
文楽は未体験なのですが、すっと興味は持っていました。
是非、みてみたいと思います。
Posted by マルウチマルウチ at 2008年07月23日 17:43
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    コメント(2)