2009年05月20日

どこかで、おっきくなっているべもの

滝平二郎さん死去 88歳
切り絵作家
「モチモチの木」


夕刊の記事を見て、
本棚から「八郎」を探し開いてみました。


どこかで、おっきくなっているべもの

海はおす。

八郎は押し返す。

海はまた押す。

八郎のはらから、むねから、かたまで水がきてよ、

とうとう、くびからはなまで水がきたときよ、

八郎はそこらじゅが、ひっくりかえるような声で叫んだとや。

「わかったあ!おらが、なしていままで、おっきくおっきくなりたかったか!

おらは、こうしておっきくおっきくなって、

こうして、みんなのためになりたかったなだ、んでねが、わらしっこ!」


力強く美しい切り絵。
秋田の言葉の心地よい響き。
忘れていた感動がよみがえりました。

そして、ふと思ったこと・・・

草薙剛の謝罪会見での
「いつか僕が大人になったら・・・」という言葉に、
35歳という年齢から、違和感を持ったものの、
次の瞬間には「ま、そうかあ」とやり過ごしてしまう自分。


え? あの男わらしこはよ、

おっきくなって、おっきくなって、

ひとのためんなった八郎ばまねてよ、

どこかで、おっきくなって、

おっきくなっているべもの。


ラストのこの言葉を三十数年前には
心に留めなかったように思います。












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Posted by マルウチ at 14:31│Comments(2)
この記事へのコメント
はじめまして。

滝平二郎さんの切り絵、大好きでした。
とても残念です。
八郎のラストに、こんな素敵な言葉があったんですね。
私も久しぶりに読みかえしてみたくなりました。
Posted by あんずあんず at 2009年05月20日 15:04
あんずさんへ

「八郎」を読み直してみて、すばらしいと思いました。
「はなさき山」など、
他の絵本も読んでみようと思いました。
Posted by マルウチマルウチ at 2009年05月21日 11:26
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